“夢をゆめのままに終わらせるのではなく その実現に向かって努力することが 生きることなんだ”
こんにちは。僕は西野旅峰(りょお)といいます。
僕はいま、自転車による世界一周に挑戦しています。第1ステージは、2008年1月に出発した北・南アメリカ大陸縦断でした。続く第2ステージは、2011年11月にはじまったヨーロッパ・アフリカ大陸縦断です。
いまからもう10年以上前のことですが、僕が中学生から高校生の時期にかけて、子どもが夢を持たなくなったと世間で盛んに言われたことがありました。あれから月日は流れ時代は変わりましたが、現在でも同じようなことが言われています。
子どもが夢を持たなくなった - 本当にそうでしょうか。
僕は子どもたちが夢を持たなくなったのではなく、私たち大人が夢を語らなくなったのではないかと考えます。
昨今、この日本では日々悲しい事件や痛ましいできごとが起こっています。加えて災害や長引く不況などの社会情勢もあるのでしょう。それらが原因のひとつとなって、夢どころではない、現実をみなければという大人の意識がそのまま子どもたちへ移行しているように思います。心にゆとりがなくなり、ストレスがストレスを呼び摩擦が摩擦を引き起こす。その張り詰めた空気を子どもたちは感じ取っているはずです。このような状況で夢を語るということは、大人も子どももやりにくくなっているのかもしれません。
けれども、このような時代だからこそ、私たち大人が夢を語るときです。
夢を見つめることは自分の生き方を見つめることです。子どもたちの夢を引き出す教育はそれゆえ大切にされなければなりませんが、その最善の方法は身近な大人が子どもたちに夢を語りその実現に向けて努力する背中を見せることではないでしょうか。
人には夢や希望が不可欠です。それぞれの人が、自分の置かれているそれぞれの立場で、夢を語り叶えていく姿勢がいま必要です。
それはまず、「私」自身から始まっていくのだと考えています。
自転車によるヨーロッパ・アフリカ大陸縦断はこのような思いが根底にあります。一人だけの旅に終わらせるのではなく、それをよりよい形で社会に還元していくこと。
この旅が、たくさんの人々と共有できる旅になることを願って止みません。
西野 旅峰 拝