Traffic accident

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Description

 

Call "113" when you have some accidents in Norway......

実は12月7日に交通事故に遭い、山羊農家で療養をしている。

鼻血級の美人ちゃん看護師たちに囲まれコーフンして僕自身は息を吹き返したが、自転車たちは激しくやられドックで入院を経験した。

経過は順調で多少の痛みを背中と腰に抱えてはいるものの、19日月曜日から北上を再開することにしている。

まぁ、ひとまずお聞きいただきたい。

 

[Traffic  accident]

無音で冷たい黒い波が怒涛のように押し寄せ、一挙に背中に当たって砕けた。飛び散った黒い世界が目の前に広がり、この空間はなんだろうと一瞬考えたが、すぐ二度目の衝撃が背に走り強い力で現実に引き戻された。天地が逆さまの視界になっていた。次に引き裂かれるような胸の痛みに気がついた。何が起こったのか理解できなかったが、生きていることだけはかすかに感じ取れた。 

2011年12月7日正午、僕は北へ向かう凍った路上で、トレーラーに背後から追突された。

その日の朝、仲良くなった山羊農家に見送られて僕は北へ向かった。

峠を何本か超えると山が開けてきて、あるカーブを曲がったら下り坂になった。前方からトレーラーがやってくるのが見え、背後からも大型車が近寄ってくる音が聞こえた。僕は最大限道路の端に寄りスピードを落とし後方からの大型車らしきものが通り過ぎるのを待った。「やさしく通ってね」いつもと同じように祈った。

激しい衝撃が背中に走ったのはその時だった。一瞬何も聞こえなくなり、しばらく間をおいて自分の呻き声で覚醒した。目と鼻に雪が入り込み苦しさが増した。大型車に撥ねられたことはすぐには分からなかった。雪の中に埋もれ激しい胸の痛みで擦れた声が口から漏れる。自転車と荷物が自分の上に乗っかってすぐには這いだせない。身体中すべての毛穴が一斉に開き、ドクドクといやな汗が湧いた。天地が逆さまのまま、トラックに撥ねられたんだと、ようやく理解できた。

体の状態を知ろうと意識を集中させた。頭も体も血は出ていないと思う。たぶんひどい骨折もしていない。だが息はできず必死で自転車の下から抜け出て雪を掻いた。気配で数人の男が近寄ってきたのが分かったが、僕は顔を上げることも声を出して助けを求めることもできなかった。きっと救急車を呼んでくれるだろう。うつ伏せに倒れこんだまま期待した。そのうちに声が聞こえなくなったので不思議に思って恐るおそる頭を上げると、薄汚れた白い大型トレーラーが僕を置いて走り去るのが遠くに見えた。「そりゃないべ!」と僕は漫才を見ているかのように倒れたままうすら笑いを浮かべた。

しばらく一人だった。後方から赤い乗用車が来たとき、僕は体を起こし手を上げ助けを求めた。その後は長い自動車の列ができ、救急車に救急ヘリコプターまで出動し人々が僕を助け病院へと運んでくれたのであった。

「北欧は福祉が進んでいると聞くので現場の視察を所望する」という旅立ち前の願いが現実になり、僕は入院することになった。検査の結果、幸いにも背中の骨が一部軽い損傷を受けた程度で済んだ。これは道路が右にカーブしていなかったことや飛ばされた場所にガードレールや標識がなかったこと、そこが深い雪に覆われていてクッションになったことなど、状況すべてが僕にとって幸運に働いたためだ。

だが激しい衝撃を体が受けたのは間違いなかった。痛みをこらえて横になっていると、マリという名の若い超美人の看護師が僕の腕をとり優しく撫でてくれた。明るいBGMと天国のイメージ。衝突されたのと同じような衝撃が走った。

「そうか!この人に出逢うために事故にあったのか!」

何事も必然にして起こると考える僕は直感しロマンティックなムードを作ろうとしたが、我慢を重ねていた僕の膀胱はそのとき破裂寸前で「トイレに行きたい」と血走った眼で訴えるのが精一杯であった。僕の真剣な眼差しにやられ彼女は大急ぎで尿瓶を持ってきてくれた。

マリは勤務が終わると僕に一瞥もくれず帰って行った。おかしいな、彼女が将来のパートナーじゃないとするといったい誰であろうか。首をかしげていると交代の看護師、シリーが来た。ブラウンのセミロングが似合う超美人である。あ、この女性だ!と僕は直感した。だがその後、僕の直感は出逢う女性すべてに過剰に働いて、いま思うとやはり事故の影響は斯様(かよう)にも大きかったのだと言わざるを得ない。

僕はその後愛想よく病院を後にし、いま知り合いになった山羊農家でお世話になっている。旅はいつでも予想しない流れの中にある。交通安全と直感を大切にしながら路上の旅人であり続け、無事ふるさとに帰り着きたい。

 

 [後注:1]ノルウェーは小さな町にも最先端の設備が整っている上、医療は無料である。病院の食堂のジュースと食べ物が美味だった。無料だった、感激!

[後注:2]当て逃げしていった人々は捕まっていないため、国籍その他は分からない。つまりノルウェー人だったかどうかは定かではない。今のところ、この国の人々の運転マナーは総じてよいという印象。

[お願い] この件に関して、両親には一定期間知らせない考えです。両親と距離が近い方々は、この旨お汲み取りいただけますとありがたいです。

 

2 thoughts on “Traffic accident

  1. To, Mrs. Umekobucha

    あけましておめでとうございます。
    ノルウェーでは正月2日の16時になりました。
    すでに日は沈み夜がやってきました。
    年明けは花火とシャンパン、なかよくなった人々で「スコール!」とグラスを上げながら雪の庭で過ごしました。
    日本と同じく人々がこの新しい年を祝いました。
    今年もステキな年となりますようにお祈り申し上げます。

    NISHINO Ryoo

  2. 交通事故!!!びっくりしました。心配です。でも持ち前のユーモアセンスとプラス志向で後から笑えるできごとにしてください。くれぐれも無理はしないでくだされ。遠くで祈っています。

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